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ギタマンクラブの先生と一杯会この先生との出会いの続きとして一杯会のお話しをしたいと思います。ギタマンクラブの先生と一杯飲むことが出来たのです。家族ぐるみで時間を忘れて飲みました。 奥様も立派な方でしたが、先生は愛情をもって生徒を厳しく指導される優れた人格者であることに敬服しました。 一杯飲んで心底が通じ、楽しい人生を送るためには好きな道を一筋に歩きとおすことだと改めて気づかされたのです。 高校のこの音楽の先生と知り合ってからほぼ20年ほどになると思いますが、いつの音楽会でも、ほんの短時間言葉を交わすだけでした。 先生は、よく来てくださいましたとお礼を言われ、私は素晴らしい演奏を有難うございましたと言う程度です。 それが、今年、先生から電話があり、事情があって定期演奏会が開けないとの連絡が入りました。 通常はこの頃、定期演奏会の日取りや時間などの知らせが来るのですが、今年はできないとの話でした。 私も楽しみにしておりましたので、大体の日取りを想定して神社の氏子総代の仕事を避ける日程計画をしていたのです。 電話口で、とっさに私は考えました。 「先生、それならば普段の練習を聞かせていただけませんか」と。 快く承諾を頂けました。 練習の時間を聞いてみますと、夕方4時ころから始まるとのことでしたので、夜道を帰るのはこの歳では危険だと思い、練習場に近い所に宿をとることにしました。 すると先生からまた電話で、「その晩泊られるのなら一緒に一杯やりませんか」と。 お断りする理由などありません。 先生も奥様連れ、私も家内と一緒、4人で一杯やる約束が出来たのです。 人生でこんなに嬉しいことは滅多にありませんよ。 ステージで指揮をされる先生と一緒に飲めるのです。それも家族ぐるみでです。 当日、練習会場で初めて練習の様子を見させていただきました。いつもは完成した演奏を聞かせていただくのですが、未完成部分のある生の姿をです。 私は写真の趣味もあり、コンテストに良く出しますが、決してネガ状態では人には見せません。なぜなら見るに堪えない失敗作ばかりが詰まっているからです。そんな中のこれはと思うものだけを出品するのです。 先生は、練習の様子を快く見せてくださったのです。 練習の途中一休みされた時、私がちょっと生徒さんに話をさせてもらいました。 「演奏する時は、その情景の人になり切って演奏しなくてはいけないですよ」と。 プロの音楽家の前で、そんなことを言ってしまいました。言ってしまったことは取り消しようもありません。反省していますが、先生は苦情は言われませんでした。私に恥をかかせられなかったのです。 先生は優しい人です。とても素晴らしい人格者だと思います。 その夜は飲みましたね。冷酒中心で飲みましたが、止まることがないのです。 とにかく時間の観念が無くなってしまいました。 気が付いた時には店内にお客はだれもいなく、私たちだけでした。もう閉店の時間だったのです。 今度が初めての事ですが、互いにどんなことをやってきたとか、どんな思いでやってきたとか話が弾みました。 やはり二人とも、好きな道を一筋に歩いてきた人生であり、悔いのない人生であることが改めて認識しあえました。 そういう話の中で、先生の奥様も立派な方だと思いました。先生が仕事三昧で家のことをかまっていられなくても、家庭を守られたのです。 お話も上手ですし、旦那さんを大切に思っていられる様子がわかります。先生が飲んで話しに夢中になっておられる間に、先生の皿の肉を切ってやっておられました。 先生のお父様は職人さんだったそうですが、自分は音楽の道に進みたいと言うと、いいよ、しっかりやれ、と言って大学に行かせてもらえ、そのおかげで自分の好きな道を歩めたのだと、お父様の愛情に感謝しておられました。 普通、先生と言うのは黒板の前で話をして、時間が来たら帰って行かれるものだと思いますが、この先生は違うのです。 この高校の名前を全国に轟かせられたのです。 ギタマンクラブを作り、徹底した指導と練習をもって頂点にまで押し上げられたのです。 その情熱には敬服します。並大抵のことではできるはずがありません。 その厳しい指導になぜ生徒さんが付いてこられたのか。それは先生の優しさにあると思います。 生徒さんに対する愛情があればこそだったと思います。 飲んでいる席で言われました。生徒が良くやってくれたからだと。感謝の意をもっておられるのです。 先生は自ら楽しい人生になされたと思います。 好きな道を愛情と感謝をもって一筋に歩いておられるからです。 本当に、この素晴らしい先生と、時間を忘れて飲めたことは一生の思い出になります。 |